さいまるさん主催のトゲキッス1on1大会に参加しました。
ルールはトゲキッス1匹のみ選出のシングルバトル ノーマルルールです。技や持ち物に制限はありません。
参加者(7人)全員の総当たり形式で、結果は4勝2敗の準優勝でした。構築内容と対戦レポートが何かの参考になれば幸いです(特に今回の構築はTODに勝てないのでフレ戦形式の大会で使用する場合はご注意ください)。
詳細な構築経緯は長くなってしまったので、下の方に入れています。
[使用構築]
[コンセプト]
見切りZにより回避率を上昇させ、追加効果・急所の試行回数を減らすことで、
相手のトゲキッスの技のPPを0にし、わるあがきの反動ダメージで倒します。
[個別詳細]
持ち物: カクトウZ
特性 : きょううん
性格 : おだやか
努力値: H252 B20 D132 S100
実数値: 192-*-118-*-167-113
技 : はねやすめ/ねむる/なきごえ/みきり
[物理耐久]
・補正あり 252振り はりきり ヒコウZゴッドバード耐え
・A1段階下降した補正あり 252振り はりきり ヒコウZゴッドバード + しんそく耐え
・補正無し 252振り はりきり スマートホーンのダメージが 68~82
同条件で急所だと102~122
[特殊耐久]
・補正無し252振り でんじほうZ + 下降補正しんそく高乱数耐え
・補正無し252振り エアスラッシュ 乱数4発(特防の値を1下げると乱数がダメージが変わる)
[素早さ]
・麻痺や追い風で最速スカーフキッス抜きのトゲキッス(実数値109) +4
コンセプト通り回避率上昇後、回復技を打ち続けて相手のトゲキッスのPPを0にします。相手の命中、もしくはこちらの回避に変更が無ければ命中率は0.75倍になります。
HPが4の倍数に1を足したものになっていないので、わるあがきした際4ターンで倒れてしまいますが、それを防ぐためにHP実数値を189まで落とすよりも耐久指数を優先した方が良いと考えて下げていません。
素早さを下げて耐久に振ることはできますが、同速で羽休めの前後で相手の攻撃が入ることを避けたかったので、113という変な実数値にしました。あわよくば相手より速い方が急所被弾時の対処がしやすいため素早さを下げることもしませんでした。ただ、補正有りデンキZ電磁砲+しんそくを2ターン目以降に打たれることやTOD、完全に総PP数が同じミラーマッチを考慮すると下げるのも選択肢です。
持ち物はコンセプト通りカクトウZです。
特性はどれでも関係ありませんが、みきりが金銀VC限定技なので強運です。
技の採用理由は以下の通りです。
〇はねやすめ: 隙のターンが生じない回復技であるため。
はりきりスマートホーンに対してはこの技で回復する必要があります。
おまけで飛行弱点が消える効果があります。
〇ねむる : 麻痺や毒の回復とPP温存のため。
〇なきごえ : 速い物理型(特にスマートホーン)への対応のため。
スマートホーン連打には急所を考慮すると後攻はねやすめをしたいのですが、スマートホーンのPPと羽休めのPPは同じなので違う技を挟まれると不利です。これに対して攻撃を下げることで対応します。
身代わりを貫通できることから甘えるにはしていません。また、2段階以上下げる必要性も薄いです。
まるくなるにすれば岩砕きの追加効果などで防御が下がっていた際に急所被弾時のダメージが下がりますが、奮い立てるなどで攻撃を上げてくる相手の方が多いと思いました。
〇みきり : 回避率を上げて、急所や追加効果の試行回数を減らすため。
アンコールを解除するためにも使えます。
みきりのPPは7にしています。これは格闘Zみきりで1回、他の技をアンコールされるのを防ぐためにみきりを打ち、それをアンコールされて4回、計5回みきりを使用した後のPPを2にするためです。
みきりをアンコールされたときにPPが2(合計PP7)であれば、相手の攻撃ターンにみきりが失敗することはありません。これはシングルバトルでアンコールされたターンのみきりは確定で失敗する(後に行動するポケモンが存在しない)ためです。その次のみきりが確定で成功し、アンコールが解除されます。
もしPPを8まで増やしてしまった場合は、アンコールが解除されずに失敗し、攻撃される可能性のあるターンができてしまいます。
また、積み技を採用した型にはそもそも勝てず、相手に攻撃以外の行動のターンを与えること自体は問題無いので、PPを5のままにするということもしていません。
[使用感]
みきりZを使うことでエアスラッシュに対しては確率有利になるようにしましたが、きっちり連続行動不能回数を抑えてくれました。素早さも上げたことでより勝つ確率を上げられた対戦があったので良かったと思います。
唯一物理型を使用した人に対してZ技を急所に当てられてしまったこともあり、なきごえの能力を下げる効果はあまり機能しませんでしたが、PPの高い技として優秀でした。
ノーマルZギフトパス(素早さ2段階上昇)型とエスパーZマジックコート(特防2段階上昇)型も候補でした。結果論ですが、今回の大会には最速物理Z型がいなかったので、エスパーZマジックコート型の方が良かったかもしれません。
[簡易対戦レポート(対戦順)]
こちらの1ターン目は全て「カクトウZ みきり」です。
基本的にこちらの行動が回復を続けることなので、各ターンの行動は一部省略します。
〇1戦目 がれきん さん 勝ち
1ターン目「デンキZ 電磁砲」でした。
こちらの方が速かったため、先制羽休めをし続けて電磁砲が当たった後にねむるを使えば、電磁砲2連続当て+痺れを引かれない限り勝ちだと思いつつ、PPを枯らしました。電磁砲のPPが0になったらTOD対策に羽休めでの回復に切り替える必要があると思っていましたが、その前に降参をもらい勝ち。
〇2戦目 reel さん 勝ち
1ターン目「みがわり」でした。
その後、電磁波+エアスラッシュで怯みを絡ませつつ攻められました。
危ない場面もありましたが、回避率が上昇している分こちらが確率有利だったので、PPを枯らしました。エアスラッシュのPPが切れた辺りで降参をもらい勝ち。
〇3戦目 ぐりぱぱ さん 負け
1ターン目「あくび」でした。
その後、あくびで眠らさせながらわるだくみを積まれて負けたと思いましたが、攻撃技がPP8の原始の力だけだったので枯れさせるように動きました。回避や見切りを絡めて残り1まで削るものの、枯らしきれず負け。
〇4戦目 ルル さん 勝ち
1ターン目「どくどく」でした。
その後、技構成が「どくどく/まもる/そらをとぶ/ハイパーボイス」であると分かり、ハイパーボイスのPPが切れた辺りで降参をもらい勝ち。
この対戦はTODされていた場合負けていたかもしれません。
〇5戦目 サイマル さん 勝ち
1ターン目「みがわり」でした。
その後、「どくどく」に「エアスラッシュ」の怯みを絡めて攻められましたが、確率的に毒をもらうたびに眠ることで十分回復が間に合うと思いながらPPを枯らしました。降参をもらい勝ち。
〇6戦目 ナツ さん 負け
1ターン目「まもる」でした。
2ターン目のヒコウZゴッドバードが急所に当たり負け。
Z技の急所で無ければ勝てていたようですが、今回使用したような型のポケモンの弱点の1つと言えるので仕方ないです。
[結果・感想]
4勝2敗で準優勝できて嬉しいです。
この構築では基本的に勝つことの出来ない「わるだくみ・ふるいたてる」採用の特殊型やミラーマッチが少ないという予想が当たり良かったです。また、その型を使用したぐりぱぱさんが5勝1敗で優勝していて見事だと思いました。おめでとうございます。
参加者の方々がそれぞれ異なる勝ちに至る経路を描いていたのが印象的でした。予想していた構築パターンの分布と大きく異なっていたので、悔しい部分もありつつも楽しかったです。
主催・運営のさいまるさん、対戦してくださった皆様ありがとうございました。
[構築経緯・結果]
まず、トゲキッスの特徴を以下のように捉えました。
・Z電磁砲やZゴッドバードの火力が高く、耐えるためにはかなり耐久を高くする必要がある。
・Z技以外の命中率が安定する技の火力ははりきりスマートホーンを除くと確定4発になるほど低い。
・電磁波やあくび、毒々などが面倒。
・アンコールがあるので一部補助技の使用もしにくい。
・てんのめぐみエアスラッシュにより行動を制限されやすく、多くの行動数を要求する型は不利。
スカーフ型は勝ちにくそうだが、存在を無視しにくい。
ここから、1回の行動で勝ち筋に繋げられるZ攻撃技持ちが強いと感じました。特に、最速で身代わりを置いてやっかいな補助技を空かしてからZ技を打つのが強いと感じました(最速と電磁砲Z確定耐えは両立できないため)。ただ、この型が強いと予想できるということは、ミラーマッチで最速同士の同速対決をする可能性があるので使いたく無いと思いました。
そこで、この型に不利を取らず他の想定される型にも有利な型を考えることにしました。ただし、全ての型に対応することはできないので、特徴から考えて少ないと思う型は諦めることにしました。
まず、行動回数が増えてエアスラッシュ怯みに対応しにくいPP枯らしは少ないだろうと予想しました。ただ回復技を打つだけの場合、エアスラッシュを打たれているだけで高確率で負けます。
次に、PP枯らし型以外に有利な部分が少なく、行動回数が増える関係で意識しやすいエアスラッシュ連打やZ攻撃技に不利になりやすい積み技を使用する型も少ないと予想しました。単純な羽休め連打に対しては毒々もしくはアンコールの方が機能しやすいのでそちらを優先すると考えました。
PP枯らし型と積み技採用型を無視すれば、他の全ての型に対しては追加効果の試行回数を減らしたPP枯らし型が有利を取れると考えました。具体的にはカクトウZ見切りによる回避率の上昇、もしくはノーマルZギフトパスによる素早さの上昇、エスパーZマジックコートによる特防の上昇です。
Z攻撃技を回復で誤魔化せますし、追加効果は主に特殊技なので回避・特防・素早さのどれかで誤魔化せます。攻撃技はそもそも確定4発で回復が容易に間に合い、毒々は眠るで対応できます。的確なタイミングでの急所を除くと、突破するには、PPの高い技構成にするか積み技を使う(もしくはTOD)しかありません。
Z見切り・Zギフトパス・Zマジックコートのメリットはそれぞれ以下のものがあります。
〇見切り(回避1段階上昇)
・初手でZ技を打ってきた場合にダメージを抑えられる。
特に初手最速身代わりでは無いということから、その相手は攻撃面に補正をかけている可能性があるため、見切りを打たなければ神速のダメージを加えて倒される可能性が高い。
・高い優先度で発動する。
・後攻でも機能する原始の力・シャドーボールなどの追加効果や急所の試行回数を減らせる。
・相手との素早さの関係がエアスラッシュの怯み回避に影響しない。
・回避により相手の攻撃技や毒々のPPを無駄にできる。
・アンコールを抜けやすい。
〇ギフトパス(素早さ2段階上昇)
・みきりよりPPが多い(24)。
・麻痺させられても相手が遅ければ上から回復技を打てる
・みきりと違い、VC産では習得不能な一部の技を使用可能。
〇マジックコート(特防2段階上昇)
・みきりよりPPが多い(24)。
・高い優先度で発動する。
・無振り電撃波・マジカルシャイン・原始の力程度であれば特攻方面を最大まで積まれても回復が間に合う。
(原始の力以外は素早さが勝っていないと羽休め以上のPPを持つため厳しい。)
・一部の変化技を返せる。
(電磁波やあくびなどは返すことでPPが削りにくくなる可能性もある。)
PPを気にしないのであれば、見切り型のメリットは重要かつ多いため、Z見切りを採用しました。Zマジックコートの方が強力にも見えますが、素早さの高い物理Z型にZ技+スマートホーンを打たれると負けるのが気になりました。
その他の技構成などに関しては上記個別詳細の通りです。
結果は上記対戦レポートの通り、私を除くとPP枯らし型の使用者は0人、積み技(わるだくみ)を採用した型の使用者は1人でした。それらの型以外の対戦は構築としてはやや有利で、そのことが準優勝に繋がりました。
不利な相手が少ないという予想は正しかったものの、「最速でZ攻撃技」もしくは「身代わりを置いてZ攻撃技」を行う型の使用者が0人と予想を完全に外しました。あまり勝ちやすいとは思えないので、居ないと思っていた「拘りスカーフエアスラッシュ」を使う型も案の定0人でした。ただ、それらの型に積み技採用型の戦績を抑えてもらうことを狙っていたので、次回はより鋭い予想をできるように頑張りたいです。